美術のキュレーターである久良間(山本亨)は、
自分の見込んだアーティストを集め、プロジェクトを開始した。
『アートスクールプロジェクト』と名付けられた計画では、廃校をアート施設に改装。
ここに7人のアーティストが1年間、社会とは隔絶した状況で滞在し、
新しい芸術を創作し、最優秀アーティストを決定する。
賞金は1億円。
プロジェクトの最終日、メンバーはついに2人にまで減っていた。
一人は、他のメンバーを裏切り、貶め、脱落に追い込んでここまで残った、
クールで冷酷な映像作家・千葉(増田貴久)。
もうひとりは、圧倒的な才能でここまで残った女性カメラマンのカナ(南沢奈央)。
最後の作品を納めた箱の傍らに立ち尽くしている千葉、
そしてフェンスで隔てられた施設内の千葉を見つめる喪服姿の若者たち。
プロジェクトから脱落したかつての仲間たちが、カナが死んだと聞いて駆け付けたのだ。
フェンスの外から5人はカナの死の真相について問う。
しかし、かつての仲間たちに一切取り合わない千葉の表情は、
5人が知る彼とは大きく変わり果てていた。
やがて久良間が現れ、千葉の最後の作品を評する。
作品名は『ストレンジ・フルーツ』。
“箱”の中のストレンジ・フルーツを次々にのぞき込み、
言葉を失う5人。
その姿を千葉はカメラに収め、こうつぶやく。
「カット」
千葉は365日回し続けていたカメラのスイッチを切る。
そして物語は、すべての始まりへと逆回転を始める───。
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